筋の反射運動神経の筋制御
私たちのからだの運動は、神経系によってたくみに制御されています。じっさいに動くのは、骨格筋の収縮‐伸長による骨です。神経系の中枢は脳で、とくに意識は大脳のはたらきによります。したがって、私たちが手足を動かそうと意識すると、大脳からの電気信号が神経軸索を通じて脊髄にとどきます。

そこで、信号はシナプスをへて運動神経に伝達され、筋肉に伝えられます。そのさい、脊髄でのシナプスには二種類あります。 一つは運動神経の末端にある終板のように、興奮をそのまま伝達する「興奮性シナプス」です。もう一つは、興奮を止めてしまう「抑制性シナプス」です。これはマイナス電荷の塩素イオンを細胞膜から汲み入れて、活動電位を消滅させるのです。

そのため、脳からの信号を脊髄で二つに仕分け、拮抗筋の一つは筋収縮を起こさせ、他は伸長させることができるわけです。
どのように神経が筋肉を支配しているのかは、たいへん複雑ですが、もっとも単純な反射運動からみていきましょう。

反射
私たちは、熱い物にさわると無意識に手をひっこめます。釘をふみつければ、あわてて足をひっこめます。皮膚の感覚細胞が熱いとか痛いとか感じると同時に手足が動きます。これは、私たちが大脳で熱いと認識して、それから手足をひっこめようと動かすのではありません。このように、脳が関与しない、つまり無意識で起こる反応のことを「反射」といいます。

一番簡単な「屈曲反射」では、次のようなしくみで起こります。熱い物にふれると、皮膚の温度感覚受容器から感覚神経を通じてインパルスが脊髄に伝えられます。感覚神経軸索は二つに分かれて、 一本は興奮性シナプスを通じて運動神経をへて屈筋を刺激し、収縮させます。もう一方は抑制シナプスに接しているので、インパルスは仲筋にいたる運動神経を興奮させず、したがって伸筋は伸びたままです。これらの結果、腕を曲げることになります。
皮膚からの信号は、脊髄から別経路で大脳に伝達され、熱いと知覚します。そのときには、すでに手はひっこみかけているわけです。

椅子に座ってひざの下をかるくたたくと、 一瞬足がポンと上がります。この反射は膝蓋腱反射とよばれ、よくお医者さんがからだの状態を調べる検査に使われます。ひざをたたくと、大腿四頭筋というひざを伸ばす筋肉が収縮します。筋繊維中にある「筋紡錘」といわれる収縮‐仲長をキャッチできる感覚器官が″ひざたたき″を感覚して、感覚神経を興奮させ、インパルスを脊髄に伝達します。そして、興奮シナプスを通じて大腿四頭筋を収縮させます。他方、対になっている大腿二頭筋は、抑制性シナプスによってインパルスが伝えられないので伸長したままです。そこで、足が一瞬だけ上げられることになります。



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